この記事では、
結婚式で起こり得る世代間の価値観の違い(ジェネレーションギャップ)について、
現役ブライダル司会者としての現場体験をもとに、
配慮すべきポイントと対応の工夫を解説します。
年代によって結婚式への期待や感覚が異なる中で、
すべてのゲストが心地よく過ごせる結婚式にするための視点もお伝えします。
こんにちは。
結婚式のイロハをお伝えする
ブライダルMCの いろは です。
今日は、結婚式に集まるゲストの
「世代に対する配慮」についてお話しします。
結婚式は、年齢も価値観も異なる人たちが
同じ空間で、同じ時間を共有する特別な一日。
だからこそ、
ほんの小さな「思い込み」が、
思いもよらないジェネレーションギャップを生むことがあります。
司会者として現場で見てきた、
実際の事例をもとにお伝えしますので、
どうぞゆっくりご覧ください。
結婚式で起こりやすいジェネレーションギャップとは
結婚式には、
赤ちゃんからご高齢の方まで、
幅広い年代のゲストが集まります。
世代が違えば、
結婚式に対するイメージや経験、
「当たり前」だと思っている基準も当然異なります。
結婚式そのものも、
時代とともに大きく変化してきました。
だからこそ、
祖父母世代や両親世代と新郎新婦世代の間に
ジェネレーションギャップが生まれるのは自然なことなのです。
結婚式ゲストの年齢層は想像以上に幅広い
親族、職場関係、友人、恩師。
結婚式のゲストは、新郎新婦の人生そのものを映します。
年代によって、
・結婚式に何を期待するか
・どこに違和感を覚えるか
・何を大切にしてきたか
は、大きく異なります。
新郎新婦にとっては
「今の結婚式では普通のこと」でも、
別の世代にとっては
「理解するのに時間がかかること」も少なくありません。
時代によって変わる「結婚式のNG」と価値観
結婚式には、昔から
「控えたほうが良い」とされてきたタブーがあります。
たとえば、
白い服装を避ける、というのは
今でも多くの方が意識している代表例です。
一方で、
・以前は縁起が悪いとされていたこと
・何となく避けられてきたこと
が、今では
あえて取り入れられる演出やテーマになることもあります。
最近では、
「アニマル」をテーマにした結婚式で
動物モチーフの装いや、アニマル素材のアイテムを
ドレスコードとして取り入れいただくよう
ゲストにお願いするケースもあります。
それを
「絶対にNGだと思ってきた世代」にとっては、
戸惑いや違和感につながることもあるのです。
実際にあった結婚式のジェネレーションギャップ事例
ここからは、
実際に私が立ち会った結婚式の中から、
ジェネレーションギャップが表面化した事例をご紹介します。
事例① 会場装花の色味で起きたジェネレーションギャップ
この日は、穏やかな雰囲気の新郎新婦の結婚式でした。
柔らかな色味がお好きな新婦は、
くすみ系のピンクやブラウンを基調にした
会場装花を希望されていました。
ブーケやヘアドレスにも
ドライフラワーやニュアンスカラーを取り入れ、
フラワーコーディネーターとも入念に打ち合わせを重ね、
結婚式当日を迎えました。
しかし、会場に入った瞬間、
新婦が大好きなおじい様がこうおっしゃったのです。
「この会場は、枯れた花を飾るのか!
本当に失礼だ!!」
最近では人気のニュアンスカラーも、
おじい様の世代には馴染みのないものでした。
くすみ色を「おしゃれ」「かわいい」と感じる世代と、
「鮮やかな色こそが華やかでお祝いにふさわしい」
と感じてきた世代。
その価値観の違いが、
思わぬかたちで表れてしまったのです。
私は急遽、新婦にそのことをお話し、
入場後、ブーケやお花のテーマカラーについてご紹介しながら、
ニュアンスカラーが
最近の花嫁世代のトレンドであることも
さりげなく説明しました。
披露宴の途中、
「これが今風の色なのね。知らなかった〜」と
話す方がいらしたことからも、
おじい様と同じように感じるゲストにとっては、
その説明が有効でした。
説明があることで、
違和感は少しずつ「理解」に変わっていったのです。
事例② カラードレスに対する親世代との価値観の違い
おしゃれな新郎新婦の結婚式。
前撮りのお写真を拝見すると、
新婦はブラックのカラードレスを着ていました。
とてもスタイリッシュで素敵でしたが、
新婦は少し寂しそうに話してくれました。
「父が、あまり良く思っていなくて…」
理由は明確でした。
新婦のドレスが「黒」だったからです。
お父様の世代では、
黒いドレスは喪を連想させるもの。
結婚式では避けるべき色と考えられてきました。
一方、今では
「サムシングブラック」という考え方もあり、
特別な意味を込めて選ばれることもあります。
価値観の違いから、
親子で強く気持ちがぶつかってしまったのです。
そこで私は、
お色直し入場の前に、
新婦の想いを言葉で届ける演出を提案しました。
当日、新郎が先に入場し、
新婦は姿を見せずにナレーションを入れます。
「今日は、特別な想いで
このカラードレスを選びました」と。
新婦は続けます。
「白のウエディングドレスは、
まっさらなキャンバスが何色にでも
彩られ、これから自分の色を知るという象徴。
私はこれまで、
両親にたくさんの色を教えてもらい、
自分の色を持つことができました。
そして両親からもらった
すべての色を合わせると黒になります。
黒は、何色を混ぜても
変わることのない最強の色。
お父さんとお母さんが教えてくれた色を
全部持って、
これから大切な人と歩いていくために
最強の色、黒のドレスを着ます」と。
そんな想いを伝えたあと、
黒のドレスを身に纏った新婦が、
凛とした表情で入場しました。
会場には静かな感動が広がり、
お父様も、そっと涙を流されていました。
まとめ|結婚式で大切なのは「正解」よりも想いの共有
ご紹介した事例に共通しているのは、
誰かが間違っていたわけでも、
非常識だったわけでもない、ということです。
ただ、
それぞれの世代に
それぞれの「当たり前」があった。
結婚式に正解はありません。
だからこそ大切なのは、
「どう見えるか」よりも
「なぜそう選んだのか」を伝えること。
ほんの一言の説明や、
少しの配慮があるだけで、
違和感は理解に変わります。
結婚式は、
世代を超えて想いを分かち合う日。
その橋渡しができたとき、
結婚式は、もっと温かく、
心に残る一日になるのだと感じています。


コメント