この記事では、
結婚式で新郎新婦が食事を後回しにしがちな理由と、
その背景にある準備段階での考え方について、
現役ブライダル司会者として見てきた実例をもとに解説します。
メインテーブルでの食事は、
人生でその日だけの特別な時間になることが多いため、
時間の使い方や進行の工夫の視点もお伝えします。
こんにちは。
結婚式のイロハをお伝えする
ブライダルMCの いろは です。
今日は、
結婚式で後回しにされがちな
新郎新婦のお食事について、
一緒に考えてみましょう。
新郎新婦は結婚式で食事してもいいの?
打ち合わせの中で、よく聞かれる質問があります。
「料理って、食べていいんですか?」
私は必ず、こうお答えします。
「もちろん、召し上がってください!」
ただ、そのあとに
「なぜ、食べてはいけないと思ったのですか?」
と伺うと、こんな声が返ってきます。
- 新郎新婦が料理を食べるのは失礼だと親に言われた
- 先輩に「ほとんど食べられないよ」と聞いた
- なんとなく、そういうものだと思っていた
ご両親や経験者から言われると、
なんだか説得力がありますよね。
食べてもいいけれど「時間がない」という現実
新郎新婦は、食事をしても問題ありません。
そのため、きちんとおふたり用の料理も用意されています。
それでも
「結局、食べられないんですよね」と言われる理由は、
時間がないからです。
それを見越して、会場によっては
- 新郎新婦用だけ一口サイズにカット
- お魚料理とお肉料理を1皿で提供
といった工夫をしてくれるところもあります。
中には
「どうせ食べられないから」と、
最初から食事をしない選択をされる方もいらっしゃいます。
ただ私は、
時間の話をする前に、考えてほしいことがあるのです。
メインテーブルで食事をしたことはありますか?
食事は、
「何を食べるか」だけでなく
「誰と、どこで、どんな状況で食べるか」によって、
価値が大きく変わります。
たとえば、
予約困難なレストランで
大切な人と記念日を祝った食事は、
料理以上に、その時間そのものが
特別な思い出として残りますよね。
では、ここでひとつ質問です。
新郎新婦として、
メインテーブルで結婚式の料理を食べる機会は、
この先また訪れるでしょうか?
答えは、ほぼ間違いなく「NO」です。
自分たちの結婚式以外に、
そんなシチュエーションは二度とありません。
だから私は、
「食べられるかどうか」を考える前に、
その機会がどれほど特別かを
まず知ってほしいと思っています。
メインテーブルから見る景色の価値
同じ料理でも、
食べる状況が違えば、心に残る印象はまったく変わります。
たとえば、
コンビニで買ったパスタを
一人で動画を見ながら急いで食べた時と、
初めてのデートで、
少し緊張しながら向かい合って食べたパスタ。
同じ「パスタ」でも、
記憶に残るのは後者ではないでしょうか。
結婚式の料理も同じです。
フレンチのコースは、
この先またどこかで食べられるかもしれません。
でも、
タキシードとドレスを着て
メインテーブルに座り、
大切なゲストを見渡しながら食事をする体験は、
その日、その時間だけです。
どんな景色が広がっているでしょうか。
進行を決める前に「食事」を考えておこう
それでも
「食事は二の次でいい」と決めたなら、
進行に集中するのも、ひとつの選択です。
ただ、もし
「せっかくなら、食事もきちんと味わいたい」
と思うのであれば、準備段階での対策が必要です。
まずは、担当のウェディングプランナーに
こう伝えてください。
「結婚式の食事は、一生に一度の特別な食事だと考えています」
その想いを共有したうえで、
進行内容を組み立ててもらうことが大切です。
演出を詰め込みすぎた披露宴では、
そもそも食事の時間を確保できません。
ゲストの人数や歓談の長さ、
写真撮影の時間によっても、
食事に使える時間は大きく変わります。
だからこそ、
事前のすり合わせが欠かせないのです。
その想い、司会者にも伝えていますか?
もうひとつ、ぜひ忘れないでほしいのが
司会者への共有です。
「司会者には関係ないかも…」
そう思われて、控えめに話される方も多いのですが、
実はまったく逆です。
司会者は、
- 新郎新婦の想い
- ゲストの動き
- スタッフの状況
この三者をつなぎながら、
披露宴全体をコントロールしています。
事情を知っていれば知っているほど、
披露宴の序盤から
戦略的にアナウンスを入れることができます。
実際に、
「どうしてもお魚料理を食べたい」という新婦のために、
「お待ちかねの、ロブスターのお時間です」
と、あえてアナウンスを入れたこともありました。
その瞬間、
ゲストが写真を撮りに集まり、
新郎新婦は堂々とロブスターを味わうことができました。
「関係ないかも」と思わず、
どんな小さな想いでも、司会者に伝えてください。
まとめ|食事を大切にすることは、わがままではない
結婚式は、ゲストをもてなす場であると同時に、
新郎新婦にとっても、人生で一度きりの特別な時間です。
「忙しいから」
「失礼かもしれないから」
「どうせ食べられないから」
そんな理由で、
自分たちの食事を最初から諦める必要はありません。
メインテーブルで食事ができるのは、
新郎新婦と呼ばれるその日、その時間だけ。
その景色、その立場、その想いで味わう食事は、
一生に一度の体験になります。
おふたりが心から満たされている姿こそが、
ゲストにとっても
「いい結婚式だった」と感じる理由になるのです。


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